【感想】続きが見たいようなこれで良かったような「湯神くんには友達がいない」完結

ついに完結してしまった。Kindleで見つけたときは嬉しいような悲しいような気持ちだった。

「私の友達…みんなで悪く言わないで!!」というちひろの叫びで終わった前巻。ついにちひろの叫びが...熱い友情への思いが...!と胸にこみ上げるモノがありつつ最終巻に期待を寄せていた。そして最終巻。数ページめくって「ちひろちゃんだもんね!そうだよね!」みたいな展開に期待はずれやら嬉しいやら。

そこから一気に湯神とちひろにフォーカス当たって「あー最終回に向かってるなー」という流れがビシビシ伝わってくる。こいつらくっつくのかくっつかんのかどっちなんだろうとモヤモヤしつつも湯神の大ゴマ使って「じゃないです!!!」で笑いとってくるのも最終巻なんだけど今までと同じテンポと感覚で読めて楽しい。

最終話とその一つ手前の構成はそれ町の「嵐と共に去りぬ」と「少女A」を少し思い出した。

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ここまで凝ったモノではないけども。一つ手前まで読めば二人は卒業し二人は良い友人だ、という終わり方で読める。本当の最終話は二人は良い友人であるが、大学生活を迎えて次の段階に進んでいくのではないか...という恋愛漫画に寄せた形で終えている。二人の次の恋人同士になるくだりを見たいような見たくないようなこのちょっと匂わせたぐらいで終わるのが良いんじゃないかという悶えを読み終えてひたすらに感じていた。個人的には一つ前で終わってくれた方がスッキリしたかもしれない。それは読み手次第でどっちを"最終回"という気持ちで読むかにかかってくる気がする。まぁ最終話ってきっちりサブタイトルに含まれてるけど。

とはいえ、最初から最後までダレることもなく、良い意味であまり変わらないテンポで繰り広げられる癒やしの漫画だった。どんな気持ちのときでも読めるというか安心する。一巻からまた通して読んでみることとしよう。