【感想】Jrは親を超えられないのか"鉄鍋のジャン 2nd" 6巻

着々と全日本中華料理王が進んでいるJrジャンであります。敗北の味を知り父親よろしく控室で血だらけになるパフォーマンスをした結果、出てきた料理は熟成肉のローストビーフ。お、おう。ジャンとキリコの息子が開眼してこの料理なんだろうか。5巻で「心の料理」を突き詰めて「勝つ料理」を作るという両親のハイブリット宣言、大分キリコ寄りではあるが、をした結果なんだろうか。昔のジャンは6巻でスグルと対決をしており、子豚の丸焼きで「脆」と呼ばれる中華料理の食感を突きつめ、白レバーにカワハギの肝を漬けこみフォアグラの上を行く料理を作りあげていた。実際にその料理が美味しいのかはさておき、キリコにしろスグルにしろ、独創的で他の料理漫画では見ないような度肝を抜く調理法と料理の見た目がジャンの魅力だというのに、2ndでは全く発揮されていない。

おやまけいこ氏の監修ではなくなり、料理への勢いがないのは多少見てとれてはいたが、この6巻のJrジャンの料理が顕著に表われてしまったように思う。大谷がジャンの料理以上にこの料理をベタ誉めしているのは違和感しかない。この表情を出してしまったら、今後のJrジャンの料理の成長は見込めないのではとも思ってしまう。

ビヨンドミートや虫料理が世界で注目されてる今こそ、蛆虫で霜降りを付けたジャンのように虫料理を、キリコのような心の料理で調理されるシーンをJrジャンでは見れることを願う。