【感想】ブッ飛んだ科学者が未来を作る、「世にも奇妙な人体実験の歴史」

概要

医療や科学の分野の研究者が自分の体を使って様々な自己実験を淡々と書いてある。 自らの心臓にカテーテルを通した者、潜水方法の確立のため加圧室で加圧/減圧の実験を行った者、感染経路を把握するために感染者のゲロを飲んだ者、淋病患者の膿を自らの性器にこすりつけた者、etc...。

感想

ただ一言すげーとしか。ホントスゲー。「フグを初めて食った人って凄いよねー」みたいなテンプレ会話があるけど、全編通してそんな人しか出てこない。これがマッドサイエンティストって人達なんだなぁと。"好奇心は猫を殺す"と言うけども、その通り。極めて真面目に実験の詳細、実験の功績を記載しているし、彼らのおかげで今の医療技術がある、と言った部分を踏まえて感謝しながら読み始めたものの、ぶっ飛び過ぎてて笑ってしまいます。自らを被験者として人体実験する科学者は、頭オカしいと思うんだけども、他人でやる前に自分でやる、みたいな一本筋通ってて勇気というか正義というか自己犠牲という点で見ると尋常じゃない精神の持ち主だよなぁと。どっちにしろ自らの体を差し出すみたいな真似は今の私には到底できないし、結局はブッ飛んだ人達としか見れないんだけども。

自分がIT企業に勤めているというのを踏まえると自分が仕事でどれだけぶっ飛んだことをしても壊れるのはせいぜい本番環境で、自分が死んだりするわけじゃない(影響範囲が広すぎて身体的にも心的にも病む可能性は十分にあるけども)。何か停滞してるなーと思ったり、新しいことやりたいなーと思ったときにはこの過去の先人達を思い浮かべるても良いのかもしれない。